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そして、旅の後。 [北欧旅行記]

北欧旅行を終えての自分の雑感を見ていて、思い出しました。

学生だった頃に読んだ本。

やっぱり、多感な時期に影響を受けた本、人、言葉などが今の自分の大部分を形づくってたんだなぁって思って、

以下、結び部分の引用です。

「見たところのスマートだけでは、真に美なる物とはなり得ない。すべては、実質の問題だ。美しさのための美しさは素直でなく、結局、本当の物ではないのである。要するに、空虚なのだ。そうして、空虚なものは、その真実のものによって人を打つことは決してなく、詮ずるところ、有っても無くても構わない代物である。法隆寺も平等院も焼けてしまって一向に困らぬ。必要ならば、法隆寺をとりこわして停車場をつくるがいい。我が民族の光輝ある文化や伝統は、そのことによって決して亡びはしないのである。武蔵野の静かな落日はなくなったが累々たるバラックの屋根に夕陽が落ち、埃のために晴れた日も曇り、月夜の景観に代ってネオン・サインが光っている。ここに我々の実際の生活が魂を下している限り、これが美しくなくて、何であろうか。見給え、空には飛行機がとび、海には鋼鉄が走り、高架線を電車が轟々(ごうごう)と駈けて行く。我々の生活が健康である限り、西洋風の安直なバラックを模倣して得々としても、我々の文化は健康だ。我々の伝統も健康だ。必要ならば公園をひっくり返して菜園にせよ。それが真に必要ならば、必ずそこにも真の美が生れる。そこに真実の生活があるからだ。そうして、真に生活する限り、猿真似を羞(はじ)ることはないのである。それが真実の生活である限り、猿真似にも、独創と同一の優越があるのである。」   (坂口安吾~日本文化私観より)

多少、自分の中で噛み砕いて理解したり、もちろん他の人から影響を受けたりで、部分的には違うなぁって思ったり、ニュアンスもいろんな部分で受け取り方は違うと思うけど、この本を久々に読み返してみると、

「これが1942年(36歳の時ですよ!)に書かれたことなんだ」

って、純粋に感心してしまいます。

忘れてはならないものが何なのか、自分自身振り返るのにいい材料でもあります。
初めて読んだ当時と同じ気持ちではないでしょうけど…。


堕落論 (角川文庫クラシックス)

堕落論 (角川文庫クラシックス)

  • 作者: 坂口 安吾
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1957/05
  • メディア: 文庫

って、もう角川文庫クラシックスになってたとは…時の過ぎるのは早いと痛感。

何はともあれ、書いてみようと自分自身に誓っていた“北欧旅行記”は無事完了したので、これからこのblogは、まずはのんびりと続けられれば続けて行こうと思っている次第です。
どっちにしても、日々こうして建築に携わってるわけだし、いろいろ語ってみたいときだってあるでしょう。

って訳で、皆様、Have a nice day!

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